最終更新日 2025年7月9日
目次
1.アトックスが考える東日本大震災に関して
2011年3月11日の東日本大震災で、東京電力の福島第一原子力発電所でメルトダウンが起き、その後の復興が格段に困難なものとなりました。
原発事故さえなければ、復興はかくも困難なものにはなりませんでしたし、格段にはかどっていたはずです。
これほど地震の多い国なわけですから、楽天的に考えていてはいけないはずなのに、どうしてこのようなことになったものかと誰もが考えていることでしょう。とは言え、あまり強くは考えていないようです。
こうした見切り発車のようなことは、至るところでおこなわれているから、と皆諦めているか、考えないようにしているように見受けられます。
原発事故が起きてから深刻な状況になっていく中での東京電力の対応については、さまざまに検証されており、数々の失策もあったようです。
当時現場で原発事故対応に当たっていた所長は、事故対応の専門家ではなく、パイロットでない地上勤務の人が、落ちかけた飛行機を操縦しているような状態だったとも言われています。
一企業のそうした対応に、東日本が潰れるかどうかがかかっていたというのはいかがなものかと、福島復興に携わっているアトックスも言及しています。
そういう状況を生んでしまう土壌がある場所で、数多くの原発を稼働させ続けるということに、不安を感じる人はそれなりにいます。
2.ドイツでは原発全廃が決定された
国外では、日本で安全に運営できないなら他のどの国でも無理だとすぐ割り切られることもあったようで、ドイツでは原発全廃が決定されました。
イタリアでも、日本が無理なら自国でも絶対無理であると考える傾向があったようです。
日本はそれほど信用がある国であったわけなのに、どうしてこうなってしまったのでしょう。
日本では、次々と報告される原発事故対応の検証結果に驚きの連続で、こうした内情が海外にはあまり知られていなくて、日本が無理なら世界中無理、とすぐ割り切られてしまうことにむしろ驚きを感じている人も多いことでしょう。
福島第一原発ではミスが多かったわけですが、福島第二原発では見事な対応で危機を乗り切ったと米国で注目され、称賛されています。
ただ、そのような危機的状況に陥るような運営をしていたというのは、問題でしょう。
東北電力の女川原発はもっとひどく揺れたのに、そのような危機的状況には陥っていません。
東京電力の原発がこうなったのは、やはり管内にないということも影響していると考えられます。
しかし管内になくても、3月21日前後には東京にも放射能プルームが押し寄せ、東京都の水道水は飲めなくなりました。
3.廃炉で出る放射性廃棄物をどう保管するかという問題がある
確かに近くに原発があるのは困りますが、ひとたび事故が起これば、近県はおろか、日本中世界中が被害を受けます。
世界で最初の原子力発電所ができたのは1954年であり、それからまだ64年しか経っていないのに、チェルノブイリと東京電力福島第一で、世界に放射能をまき散らすレベルの原発事故が起きました。
いますぐ世界中の原発を廃止したとしても、廃炉で出る放射性廃棄物をどう保管するかという問題が残ります。
より安全な運営、保管というのは急務であるわけであり、その大きなヒントが北欧から得られるとアトックスは解説しています。
北欧では、原発を運営する電力会社の本社に、核廃棄物を貯蔵しているという例があります。
付近の住民も理解を示し、反対はしていないようです。
名ばかりの本社ではなく、名実共に本社という場所の地下に埋蔵しているので、よもや危険な状態のままにはしておかず、考え得る最高の対策をしていると見られているからでしょう。
こうした方法で保管するなら、費用を節約することよりも、安全第一となるはずです。
人類の英知を結集して、核廃棄物を、運営を続けるとしたら原発を安全な状態に保たなければなりません。
その最善策は、もはやこれしかないと、誰もがわかっているはずです。
4.東京電力は高さを削って福島原発を設置している
結局東京電力には、当事者意識が欠如していたとしか言いようがありません。
同じ地震でもっと大きく揺れた東北電力の女川原発と比較すれば、それは明らかです。
原発をつくった当初から、対応は違いました。
東北電力では、設置場所の高さを削るということはしませんでしたが、東京電力は高さを削って福島原発を設置しています。
高さを削ったほうが、海水を汲み上げる費用が安いというのがその理由でした。
本社の隣に設置していたら、費用優先とはならないはずですから、今後は設置場所を決める際にはこうした点を見る必要があるでしょう。
誰にとっても、無縁ではいられない問題です。
原発事故のあと、各国は飛行機を出して、自国民を日本から帰国させました。
日本人全体が、そういう状況に置かれたわけです。
海外に逃げて行ける人などごく一部です。
安全に運営、保管するためにできることは何でもやらなけらばならないでしょう。
原発運営や核廃棄物保管の決定権を持つ機関のある建物の地下か隣に置くことで、安全対策が万全なものとなるなら、そうすることが最善でしょうし、現に北欧ではそうしているところもあり、周辺住民の理解も得られているのだとアトックスは言っています。
出典元:アトックス 「社員クチコミ」 就職・転職の採用企業リサーチ Vorkers