最終更新日 2025年7月9日
洋上風力発電は、海洋上に風力発電設備を設けて発電するというものです。
従来は陸地に大きなプロペラのついた設備を設けて発電をする風力発電が主流でしたが、現在は実用化に向けて洋上風力発電の研究開発が進められています。
この発電方法の特徴や魅力について詳しく知らなければ、従来の方法で良いではないかと感じるかもしれません。
しかしながら、既存の方法と比較してみるとたくさんのメリットがありますし、これまで問題だとされていたことも解決することができます。
今後ますます注目されることが予測されるため、まずは導入するメリットについて理解を深めておくと良いでしょう。
それと同時に今後の課題まで理解を深めておくことをおすすめします。
洋上に設置する場合は安定した供給量を期待しやすい
陸地に設置する場合と違って、洋上に設置する場合は安定した供給量を期待しやすくなることを理解しておきましょう。
風力発電は得られる風の量や風速によって発電量が左右されますが、陸地よりも海洋上のほうが風を得やすいです。
海に行くと風を感じることが多いはずですが、陸地と海とでは風の量や強さが大きく違っています。
安定的にたくさんの発電を行うためにも、風を得やすい海洋上に設置したほうが効率的だと言えるでしょう。
たくさんの設備を設置できる
たくさんの設備を設置できることもメリットだと言えます。
陸地の場合は設置できる土地がなければ数を増やしたいと考えても設置することができません。
日本は世界的に見ても国土面積が狭いほうであり、限られた土地に大量の風力発電設備を設けることは困難です。
一方で、日本は広い排他的経済水域を有しており、海洋上であればたくさん設置できるポテンシャルがあります。
狭い国土でも問題なく発電設備を設けることができるようになるので、洋上タイプのほうが日本に向いていると言えるでしょう。
日本以外でも、イギリスなど面積が狭いけれど広い海がある国から注目されていることも知っておくと良いです。
設置数が多ければ多いほどたくさんの発電を期待することができるため、上手く規模を大きくすることができればこの発電方法で安定した供給を得ることができるようになるでしょう。
周辺住民からのトラブルが発生する可能性が低い
洋上風力発電は周囲に住んでいる人からのトラブルが発生する可能性が低いです。
陸地にある風力発電はこれまでに近隣住民とトラブルになっていることが多くあります。
自分が風力発電施設の近くに住んでいなければ何が問題なのか分からないと思うかもしれませんが、風力によって回ったプロペラの音がうるさい、モーター音が気になるというクレームが発生することも少なくないです。
騒音によって集中して勉強することができない、夜にしっかり眠ることができないというクレームが出ることも少なくありませんでした。
音の問題だけではなく、見た目についても問題とされることがあります。
風力発電は大きなプロペラが目立つ設備を設けることになりますが、これが景観を損ねると考える人が非常に多いです。
街並みに合わない、雰囲気が悪くなってしまうなど、景観を破壊してしまうという理由で立ち退きを希望する近隣住民もいるほどだと言えます。
洋上に風力発電を設置する場合は陸地から数km離れた位置に設備を設けることになるため、音の問題も景観破壊の問題も起こりにくいです。
洋上風力発電の課題
このように現在実用化されている陸地に設置するタイプの風力発電と比較すると、様々なメリットがあることが分かるでしょう。
今まで問題とされてきたことも解決できるケースが多く、非常に優れた発電方法だと言うことができます。
ただし、その一方で課題があることも理解しておくべきです。
研究開発を進めたり実証実験を行ったりする中で、いくつかの課題が明らかとなっています。
たとえば、様々な生き物に影響を与える可能性が懸念されおり、今のところ大きな問題は確認されていないものの、近くを飛ぶ鳥や海に住んでいる生物に影響が及ぼされることが心配されることも多いです。
実用化を見据えて長い目で見たときに、本当に影響がないかどうか明らかにする必要があります。
他にも陸地と違ってメンテナンスが大変だがメンテナンス費をどう削減するのか、陸地から離れているけれど超低周波音の問題が起こらないのかというような課題もあるでしょう。
日々の研究や実験によって課題が1つずつ解決されていくことが、安心かつ安全な洋上風力発電の実用化に必要なことだと言えます。
まとめ
洋上風力発電は世界的に注目されいますが、日本でも活発に推進に向けた取り組みが行われており、2021年度に実証実験が終了する発電設備もあるほどです。
これから先はもっと注目されることになるはずなので、エネルギー問題や地球環境問題に興味がある場合は洋上風力発電の話題もこまめに確認しておくことがおすすめだと言えます。
より多くの人が興味関心を持つことも研究の進展に繋がるので、積極的にこの発電方法に関する情報を取り入れていくようにしてみると良いでしょう。
（Influx 洋上風力発電より引用）
